昨今、日本人は公の場で自分さえよければと心得ている人が多く見受けられるようになり、相手を思いやり尊敬する気持ちを持った人が少なくなったことは、大変寂しく残念なことです。

　昨年のラグビーワールドカップでは、選手たちは血をみる激しい試合をした後、グラウンドで敗者は勝者を称え、勝者は敗者を労ってハッグするあの美しい場面は見る人々の心を打ちました。応援する側も興奮し誰彼かまわず旧知のようにハッグしてスタンドが一つになりました。この会場の雰囲気をそのまま社会にダブラせれば、相手に対する思いやりと尊敬の念、そして連帯感が人々の間におのずと芽生え、素晴らしい社会が実現するであろうにと密かに思ったものでした。